Econazole nitrateおよび関連化合物の抗真菌活性
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概要
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合成抗真菌剤econazole nitrate (ECZ)および関連化合物の抗菌活性について検討した。ECZの最小発育阻止濃度(MIC)は,Candida albicansに対し10μg/ml, Trichophyton mentagrophytes 0.31μg/ml, Staphylococcus aureus 2.5μg/mlおよびEscherichia coli>100μg/mlであり,光学異性体ならびにeconazole baseも同じ抗菌活性を示した。しかしながら,ECZのラット体内での代謝産物,合成原料,合成中間体,化学的分解物およびその他の関連化合物については,合成中間体である2,4-dichloro-2-chloroacetophenoneがC. albicans, T. mentagrophytesおよびS. aureusに対してECZの1/2∼1/4の活性を示した以外は,顕著な抗菌活性はみられなかつた。ECZとmiconazole nitrate (MCZ)およびclotrimazole (CTZ)の酵母20株に対する静菌活性ならびに殺菌活性に,3薬剤間で定性的な差は認められなかつたが,皮膚真菌症の原因菌として分離される頻度の高いC. albicansに対する殺菌活性は,ECZとMCZがCTZに比べ,わずかに優れていた。皮膚糸状菌およびその他の糸状菌26株に対する静菌活性,および殺菌活性はECZがもつとも高く,MCZは格段に低かつた。振盪培養法によりC. albicansおよびT. rubrumに対する抗菌活性を比較した結果,ECZおよびMCZは,CTZに比べ明らかに殺菌活性が高かつた。