Bacteroides melaninogenicusの分類学的研究 : 第一報 分離条件と生化学的性状
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概要
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Bacteroides melaninogenicusの分離条件と生化学的性状について検討した。すべてのB. melaninogenicusの発育には,炭酸ガス50%以上の嫌気環境が必要であることを明らかにした。集落の黒色化には,ウサギ溶血血液がもつとも優れている。一般に常用されているヒツジ,ヒト,ウマ血液などでは,集落が黒色化しない菌株が多く見られた。B. melaninogenicus ss. asaccharolyticusは分離菌株すべてが腟内容物から分離され,B. melaninogenicus ss. intermediusは,58.3%が歯垢,33.3%が腟内容物,8.4%は糞便より分離された。B. melaninogenicus ss. melaninogenicusは全株歯垢から分離された。歯垢からは全例に,B. melaninogenicusを検出した。その内訳は,B. melaninogenicus ss. intermedius 73%, B. melaninogenicus ss. melaninogenicus 27%であつた。腟内容物からは22%に分離した。その内訳は,B. melaninogenicus ss. asaccharolyticus 57%, B. melaninogenicus ss. intermedius 43%であつた。以上の分離菌の炭水化物分解試験,インドールの産生,硝酸塩の還元,ゼラチンの液化,牛乳試験,20%牛胆汁試験,脂肪酸の検出など,各種生化学的性状を検討した結果,3亜種間でそれぞれ特徴的なパターンが見られた。
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