Clostridium botulinum C型,D型菌におけるトリプシン活性化毒素の産生
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Clostridium botulinum C型・D型菌の有毒株および無毒株を用い,トリプシンにより活性化される毒素の産生について検討を行つた。使用したC型無毒株5株,D型無毒株4株のうち,C型4株,D型2株がトリプシン処理により毒性を示すようになつた。この毒素はSegners fortified egg meat (SFEM), cooked meat, egg meat, TYGの各培地で20∼935 LD50/mlの産生がみられたが,LYG培地においては産生が認められなかつた。また有毒株3株のうち,D-South African株で,トリプシンによりその毒性が5∼10倍に活性化された。しかし,無毒株の産生するトリプシン活性化毒素とD-South African株の産生するそれとは,必ずしも同一抗原性を示すものとは思われなかつた。トリプシン活性化毒素産生株であるD-139株について,TYG培地を用い,炭素源および窒素源がこの毒素産生能に及ぼす影響について検討を行つた。トリプシン活性化毒素の産生はグルコース濃度0.2%の時が最高となり,グルコース濃度を高めるにつれ毒素の産生量は減少した。同様の傾向がグリセロールを炭素源とした場合にも認められた。トリプシン活性化毒素に対する(NH4)2SO4の添加効果はグリセロール培地で顕著であつたが,グルコース培地ではほとんど認められなかつた。またグリセロール培地に0.5% NH4Clを添加することにより,毒素産生量は無添加の場合にくらべ約15倍に上昇した。しかし,0.5% NaNO3の添加は,毒素産生にむしろ抑制的な作用を及ぼした。トリプシン活性化毒素の産生能は,培地中の炭素源および窒素源により大きな影響を受けるものと思われる。
- 日本細菌学会の論文
著者
関連論文
- 72 抗 Mac-1 (CD11b) 抗体が肝温阻血潅流障害に及ぼす影響(第43回日本消化器外科学会総会)
- Propionibacterium acnesにより誘導されるマウスのトキソプラズマ感染抵抗性における早期ガンマ・インターフェロン産生の重要性
- PS-100-7 劇症肝炎モデルマウスに対する脂肪由来間葉系幹細胞の治療効果(PS-100 ポスターセッション(100)肝臓:基礎-1,第111回日本外科学会定期学術集会)
- リステリア菌感染防御機構における内在性サイトカインの意義
- Clostridium botulinum C型,D型菌におけるトリプシン活性化毒素の産生
- Enhancement and suppression of granuloma formation by GaGM in mice treated with anti-CD4 or anti-CD8 monoclonal antibodies in vivo
- Interferon-System in Patients with Sarcoidosis II:Antigenic Specificity of IFN-Y Detected in Sera Obtained from the Patients
- Interferon-system of patients with sarcoidosis
- The detection of antibodies against HSP in the sera of patients with sarcoidosis
- Role of endogenous IFN-γ and IL-4 in granuloma formation
- The role of endogenous TNF in granuloma formation induced by Gordona aurantiaca