ウェルシュ菌芽胞のイオン型の性状
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概要
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<I>Clostridim perfringens</I> NCTC 8238株の芽胞におけるイオン性発芽とイオン交換性との関係を明らかにするため, 生芽胞 (N型) よりH, Ca, Kなどのイオン型芽胞を調製し, それらのイオンによる発芽性および形態などを比較検討した. H型を除いて他のイオン型はいずれもKC1またはCaCl2単独水溶液中で発芽を示すが, Ca<SUP>2+</SUP>はK+に対して発芽阻害的に作用した. これに反して, H型では発芽速度はきわめて遅いが, Ca<SUP>2+</SUP>はK+に対して発芽促進的に作用した. 芽胞の表面構造を走査電顕により観察した結果, とくにイオン種による相違は認められなかつた. さらに, 各イオン型芽胞についてX線微小分析 (点分析) を実施した結果, 非交換型Caはおもにcoreの部分に相当する芽胞中心部に分布し, 一方, 交換型CaはP, S, C1などとともに芽胞全体に分布することが判明した.