緑膿菌に関する研究 : I. 緑膿菌の自然界および動物,とくにマウス,モルモットからの検出について
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概要
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緑膿菌に対する適正な薬効評価方法を開発するためには,まず,一定の環境下で飼育されている健康な実験動物からの緑膿菌の検出率を知る必要があると考え,おもに,マウス,モルモットから緑膿菌の分離を試みたところ,次のような成績が得られた。1. NAC寒天培地の緑膿菌の選択性(培地に発育する菌数に対する緑膿菌の占める割合)は土壌あるいは下水,池,溝等の淡水では12.5∼44.7%と低率であつたが,動物材料(マウス,モルモット,イヌおよびウシ)では85.7∼100%と高い選択性を示した。2. 検査材料別に見た緑膿菌の検出率はモルモット口腔の26.3%,淡水の32.8%,モルモット腸管の18.3%,野犬肛門の13.6%,動物の病的材料の13.1%,野犬口腔の9.1%,土壌の7.8%,マウス腸管の3.5%,牛乳の2.0%,マウス口腔の1.4%,モルモット肛門の1.3%,マウス肛門の1.0%の順であつた。3. マウス,モルモットについては同一動物群を12週間にわたつて緑膿菌検査を続けたところ,マウス口腔および肛門からは1∼3%の率で断続的に菌が検出され,モルモットの口腔では一定して16∼32%と高い検出率を示した。しかし,モルモットの肛門からの検出率はマウスの場合と同様,1∼4%と低率で,しかも断続的であつた。
- 日本細菌学会の論文
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