大勢の智恵を結集してつくる「科学シミュレータ」と仮想ラボセンターSciNetS(サイネス)の基盤
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概要
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近年のライフサイエンスは“データ基盤に依存した科学”となり,大勢が研究に必要な多くのデータをウェブ上のリソースとして求める時代になった。こうした情勢を踏まえ,理化学研究所(以下,理研と略す)では次世代情報基盤(SciNetS:サイネス)の開発が進められている。SciNetSは,大勢の人々と,科学計測デバイス群,多数のコンピューター,データベース群がウェブ上で分散しつつも高度に連携することでさまざまな問題を解決していくことを目指すもので,科学者だけでなく広く国民にも科学データを活用する機会を与える。本稿では,理研で技術開発が進むSciNetSを紹介しつつ,次世代の情報基盤が拓く新しい“ウェブフェノミクス(Web Phenomics,ウェブを通して社会を観測し快適にしていく科学)”によって,今後の研究活動がどのように変化していくか概観する。