復水器用薄肉溶接チタン管
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概要
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肉厚0.5mmの薄肉溶接チタン管が復水器管として空気冷却部において実用化されている.さらに, 海水汚染防止の点から復水器管すべてにチタン管が用いられる傾向にある.<BR>チタンは銅合金などと比較してほぼ同じような物理的ならびに機械的性質を有するが, 比重, 熱伝導度, 熱膨張係数などが異なる.耐食性は極めてすぐれており, 汚染海水, 高流速海水, アンモニアガスなどによっても腐食されることはない.チタン管の熱貫流率は新管の状態では1.2mmtのアルミニウム黄銅管より劣るが, 使用に伴う熱貫流率の低下がかなり小さいのが大きな特長である.これはチタンの耐食性とスケールに対する付着性が小さいことにもとずく.<BR>全数チタン管を用いた復水器は国内で2機運転されており, そのうち神戸製鋼尼崎の5, 000kWタービン復水器は3年半の使用実績があり, すぐれた熱伝達性能, 保守の容易さなどよい結果が得られている.<BR>舶用復水器にチタン管を用いる場合にはとくに振動による管の疲労割れなどについてさらに検討する必要があると考えられる.