甲状腺原発悪性リンパ腫24症例の臨床検討
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概要
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目的: 甲状腺原発悪性リンパ腫における開放生検法・気道狭窄例の対応法・治療法を検討すること.対象と方法: 1997年12月〜2010年6月までに当院で診断治療を行った24症例を対象にレトロスペクティブに検討を行った.結果: 開放生検は23例に行われ, incisional biopsyを行った14例中13例が一度で確定診断に至ったが, excisional biopsyを行った9例中2例に恒久的声帯麻痺が残った. 初診時に呼吸苦を呈した5症例に対しincisional biopsy後にステロイド静脈投与を行うことで, 確定診断に至るとともに呼吸苦の消失が図れた. 20例に化学療法・放射線療法・手術療法を組み合わせた集学的治療が行われ, 4例に単独療法 (化学療法2例, 放射線療法1例, 手術1例) が行われた. 治療成績は10年無再発生存率92%, 10年粗生存率86% (経過観察期間中央値46カ月) と良好であった.結論: 甲状腺外に広く浸潤する症例においては, excisional biopsyは手術合併症の可能性があるためincisional biopsyによる開放生検がより望ましい. 気道狭窄症例に対するステロイド投与は, 気道狭窄症状を数日で改善させる点で有用である. 腺内に限局するstage IEのMALTリンパ腫例は単独療法にても根治が図れるが, 致死的になり得るびまん性大細胞型B細胞リンパ腫例においては集学的治療を要する.
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