チューインガムの口臭抑制効果に関する官能試験法による判定
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概要
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嗜好品として古くから普及しているチューインガム(クロロフィル入り)について口臭抑制効果の効用面での位置づけを行うことを目的として, 他の口腔清涼剤 (粒状, スプレー式の2製品) と感覚的な評価をもとに, 比較検討をした。<BR>口臭は, その原因または発生機序によって異なるが, 本試験では特に, 口臭の原因となる食物 (餃子) を被検者に摂取させ, 強制的に口臭を発生させた後, 直接プラスチックバッグに捕集した呼気を無臭空気で段階的に希釈し, それぞれの試料について, においの有無, 質, 強度および不快度を判断した。本試験で用いたチューインガムおよび比較対象とした口腔清涼剤は, いずれもマスキング的な作用が大きく, 各試料 (製品) 本来のにおいの強さと密接な関係にあった。<BR>一方, 嫌悪性の評価については, 食物雑臭, 口臭消しのにおい等混合臭としての質的な要因が加わるために, 食物残臭の抑制の度合いが, そのまま不快感の低下に結びつかない試料もみられた。チューインガムについては, 摂取することによって口臭の質的な改善がなされ不快感を弱めるという点で一応の成果が認められた。<BR>これらの結果から, チューインガムを咀しやくすることにより口臭の抑制効果は認められたが, その効果は一過性であり, 香料のにおいが消失するとともに再び食物残臭が感じられた。
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