新しいう蝕罹患性試験の考案とその評価―とくに保存修復法への応用をめざして : 第2報 簡易な歯質酸溶解性試験の考案とその有用性
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概要
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本研究においては, 新しい歯質の酸溶解性試験としてFS寒天発色法 (Fiske-Subbarow氏試薬混入寒天は歯質より溶出するPによって発色するので, その発色濃度から歯質の酸溶解性を検討する方法) を考案し, その基礎的実験を試みた。FS寒天の発色度はそれに接触するP量に比例して増加し, 且つ0.10μgの極めて微量のPの存在によっても青色発色を認めることが出来た。また, 永久歯の前歯および臼歯の唇 (頬) 面を用い, その近心半分ではFS寒天を接触させて溶出するP量を, 遠心半分では塩酸寒天を接触させて溶出するCa量を, それぞれ発色度ならびに原子吸光分光分析で検討したところ, Pの溶出傾向 (指数) とCaの溶出量との間に高い相関が認められた。かようなFS寒天を弗素処理および非処理歯面に用いて, それらの酸溶解性を検討してみると明らかにその差を確認することが出来た。<BR>かくして, 溶出したP量を指標とするFS寒天発色法は歯質の酸溶解性を検討するにあたって極めて適切な方法であることが判明した。
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