極値統計漸近理論の金属腐食問題への応用
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概要
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金属の腐食現象の1つに孔食がある.工学的にもっとも問題になるのは最大孔食深さである.本稿では,A.S.Krisherの発表した観測データにもとづいて,最大孔食深さの従う分布を,極値統計学の漸近理論を用いて推定した.そのさい,P.M.Aziz,G.G.Eldredgeの研究についても比較考察をおこなった.その方法として,パラメータを標本から推定する場合のKolmogorov-Smirnovの検定を用いた.<BR>また,試験片の面積を変えたときの最大孔食深さについて,従来Scottの実験式とEwingの実験式が知られているが,極値統計学の漸近理論を用いて,それらを理論的に導いた.<BR>さらにこれらの結果を,いくつかの実際問題の解決に応用した.