低温プラズマ処理によるPETタイヤコード繊維の接着性改良
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概要
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タイヤ補強用ポリエチレンテレフタレート(PET)タイヤコード繊維表面に低温プラズマ処理を行いゴムとの接着性改良を試みた. 特に, PET繊維が高温下でゴム中のアミンや水によりアミン分解, あるいは加水分解をうけ, 接着剤/PET繊維の界面劣化が進行し, 接着力低下(耐熱接着力の低下)が起こるとされているので, 低温プラズマ処理法による接着性改良が, 耐熱接着性に対してどのような影響を及ぼすかをプラズマ処理条件との関連から検討した. 低温プラズマ処理によりPET繊維表面の化学的及び物理的(エッチング)変化やゴムとの初期接着力は従来の知見がほぼ再現され, 酸化性ガスによる低温プラズマ処理の場合に最も高い接着力が得られた. しかし, 耐熱接着力改良にはほとんど効果が発現しなかった. 耐熱接着力改良にはアミン及び水の捕捉機能や透過防止機能を有する接着剤, もしくはPET繊維内部拡散型の接着剤の開発が必要であることがわかった.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文