カルボキシル化VPラテックスによるPETタイヤコードの耐熱接着力の改良
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概要
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ポリエステルタイヤコードが高温下でゴムとの接着力が低下することが知られているが, その理由はゴム中のアミン化合物によるポリエステル層の劣化により接着破壊が起こっているためであることを確認した. この高温下での接着力を改良するにはポリエステル層の劣化を防ぐ技術の開発が必要であり, その評価のためにポリエステルの劣化度を検出する試験法を考案した.タイヤコード接着に従来から使用されているビニルピリジンーブタジエンースチレン共重合体にカルボキシル基を導入した新しいラテックスは従来品より約20%高い耐熱接着力を示し, トラック•バス用の大型ラジアルタイヤに使用できる可能性がでてきた.このラテックスの耐熱接着力改良機構は, カルボキシル基によるアミン化合物の捕捉機能及びカルボキシル基とピリジル基からなるラテックスポリマー架橋構造のアミン化合物透過阻止機能によるためと推定される解析結果が得られた.