PEO-PPO-PEO-ブロックコポリエーテルをベースとする抗血栓性セグメント化ポリウレタンウレアの疲労試験と力学的性質の変化
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概要
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心血管系人工臓器に用いられる医用弾性体は, 抗血栓性と長期耐久性を必要とする. すでに発表した水酸基末端を有するポリエチレンオキシド (PEO)-ポリプロピレンオキシド (PPO)-PEOトリブロックコポリエーテルを用いて合成した一連のセグメント化ポリウレタンウレア (DP) は, 既存医用ポリウレタンを上まわる抗血栓性を有している. このDPを人工心臓等に用いるためには, 長期の耐久性評価が必須である. 疲労試験はダンベル型試験片を用い, 37°C, 生理食塩水中で, 50%伸長下で±10%のひずみ振幅を5Hzの速度で与え, 最高7000万回 (162日間) の試験を行った. 試験した試料はいずれも破断することはなかった. この回数は, 自然心安静時の約2年の拍動に相当する. 試験中の試料の動的弾性率は, 最初の数日間における急激な減衰後, 安定して推移する. 疲労試験後の試料の引張特性は, 一般的に硬化傾向が観測された. これらの応力-ひずみ曲線の Mooney-Rivlin プロットによる解析から若干の考察を行った. 疲労によりC1項の増大及び低伸長領域 (試験中のひずみに相当) で Stress-softening が観察された. また, 疲労試料は, 膨潤の異方性が認められた. これらは, 疲労試験中におけるポリウレタンのハードセグメントの配向変化を示唆している.
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