ゼブラフィッシュ心臓の膜電位動態を可視化する
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概要
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ゼブラフィッシュは,遺伝子操作技術が確立されていること,幼魚では細胞や組織の観察が生きたまま可能なこと,発生が速く進むこと,飼育コストが比較的安いこと,等々のモデル脊椎動物としての利点を持ち,それらは心臓研究においても発揮されてきた.また,近年は,組織損傷後に再生がおきることや,個体を用いた大規模スクリーニングへの適合性などのユニークな点にも注目されてきている.今回,蛍光イメージング技術を用いて,ゼブラフィッシュ心臓の電気活動を非侵襲的に「見る」ことを試みた.この方法を用いると,たとえば,抗ヒスタミン系の薬物がゼブラフィッシュにおいて心機能障害を誘発することが知られているが,そのような状態での電気的興奮の伝播の様式が正常時とは明らかに異なるモードになっていることが明らかとなった.このような新規in vivo光学的手法の開発が,心臓の生理,発生,薬理学的研究の新たな展開につながることが期待される.
著者
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宮脇 敦史
独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター 先端技術開発グループ細胞機能探索技術開発チーム
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岡村 康司
大阪大学大学院医学系研究科
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筒井 秀和
大阪大学大学院 医学系研究科 統合生理学教室
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東島 眞一
自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター 神経分化研究部門
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