ゴムの耐屈曲性に関する研究室評価方法およびそれに及ぼす諸因子の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一般に加硫ゴムの耐屈曲亀裂性を研究室試験機で評価する場合, ASTM法及びそれらの修正された方法が使用されているが, これらの試験結果と実際製品として使用された場合, 例えばタイヤトレッドグルーブクラッキング現象との相関性は不充分であった. 筆者らはここに W. Kern により発表された方法を修正採用し, 実際の場合との相関性を求めた所, 従来のASTMに較べてかなりすぐれている事が判明した.次に筆者らはゴムの耐屈曲性におよぼすオゾン, 外気温度及び屈曲速度の因子の影響について研究した. この結果耐屈曲性の温度依存性はポリマーの種類によって著しく異って来ており, 天然ゴムを除く合成ゴム配合物は一般に試験温度に鋭敏であった. またオゾンの耐屈曲性に与える影響はポリマーの種類によってもまた試験方法によってもかなりちがって来る事が示された. また屈曲速度をASTMの2倍に上げても単位屈曲回数当りの亀裂速度は変らず, 中には逆に減少したものもあった. 最後に天然ゴム中での老化防止剤の効果についても検討を行ない得られた結果について考察を加えた.