射出成形機による加硫ゴム中のカオリナイトの配向
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概要
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射出成形機によるゴム製品の成形加工においてゴム分子の配向とゴムの物理的性質の関係については検討がなされているが, ゴム中の非球形充てん剤の配向については特に取扱われた報告は少ない. 射出方向に垂直に金型を置いて成形加硫したゴムに配合されたデキシークレー (カオリナイト) の配向方向とその配向度と加硫ゴムの力学的性質との関連性をX線回析, 電子顕微鏡, 圧縮永久ひずみなどによって検討した. カオリナイトの(001) 面は射出方向に垂直でゴムの流れ方向に平行に配向するが, うず巻形試料ではゴム表面に近い部分においては表面に平行に配向している. 射出圧が高いと射出口から遠ざかるにつれて配向度は減少し, その方向での圧縮永久ひずみの減少する割合は他の方向のそれよりも大である. 板状ゴム試料についても周辺に近づくにつれて配向度は減少して引張強さも方向によって変化する. この配向は電子顕微鏡によって観察された.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文