アミラーゼ生産菌のバクテリオファージ及びデオキシリボヌクレアーゼに関する研究(第3報) : デオキシリボヌクレアーゼの一般的性質及び各種試薬の影響
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概要
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(1) ファージ感受性菌であるアミラーゼ生産性Bacillus subtilis var. amyloliquefaciens Fukumoto-K 49の音波処理菌体抽出液中のDNaseの性質を粘度法及び紫外部吸収法で調べた. (2) 本DNaseはEDTA.クエン酸ソーダで阻害されCa++で賦活されたので前報のデータ(Mg++, Mn++で活性化,最適pH8.5)と合わせ従来の分類に従うとDNase Iに属する. (3) 酵素反応の最適温度は32〜35°であり,又反応は緩衝液のイオン強度に影響された. (4) 酵素溶液はpH5.5〜7.5で安定で反応の最適pH8.5でも徐々に失活した. (5) PCMB,フェリシアン化カリウムやモノヨード醋酸の如きSH試薬で反応は阻害されたが,シアン,アザイド,オキシン,システイン,ニトロソR塩の影響は顕著でなかった. (6) Cu++, Hg++, Zn++は反応阻害的であったが,逆にSn++はやや促進する傾向にあった. (7) プリン誘導体のアデニン,キサンチン,尿酸及び制ガン剤の8-アザグアニン, 8-アザキサンチンの本DNaseに対する特異作用は認められなかったが, 6-メルカプトプリン(田辺製薬メルン)は10-3Mの濃度で反応を阻害した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文