醤油及び調味液中の塩基性アミノ酸についての研究(第2報) : 醤油醸造中におけるL-アルギニンの消長
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概要
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(1) 醤油醸造中におけるL-アルギニンは9日間で最高の遊離を示し,以後6〜8週間まで急激な減少がみられ,それ以後はほとんど変化を示さない. (2) 市販醤油中のL-オルニチン, L-チトルリンをアミノ酸アナライザーを用いて,初めて同定確認し定量した.含量はT-N 1g換算100ml中にL-オルニチン塩酸塩0.15, L-チトルリン0.02であった.脱脂大豆の塩酸加水分解により製造した直分解「味液」には含有されなかった. (3) 諸味中のL-アルギニン減少に伴いL-オルニチン, L-チトルリンが生成する.その生成時期はL-アルギニンが減少開始する仕込より9日経過後で約1か月で最高生成量を示し,以後緩慢な減少を続けながらも製品中に残存する.またその生因は,醸造中における微生物の酵素作用によるL-アルギニンに由来するものである.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文