微生物による水溶性マンガンの酸化
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概要
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(1)福井県文室鉱山坑内水よりマンガン酸化能の優れたheterotrophicの一菌株(F 2)を分離した.同菌株は1,000mg/lの高濃度マンガン水溶液中に生育でき,水溶性マンガンを菌体表面で酸化し, MnO2を沈着した. (2)マンガン酸化活性の高い菌体生産のための最適培地は,ペプトン0.01%,クエン酸第二鉄アンモニウム0.01%およびMn2+ 100mg/lを含むものであった.温度は25°C,初発pHは7.0,撹絆は200 rpmが最適であった.これらの条件下における10日間の培養で,菌体収量は75.6mg/l,菌体1mg当りのMn4+沈着量は1.28mgであった. (3)マンガン沈着菌体を繰り返し使用する回分処理法により,有機栄養源を添加することなく,高濃度マンガン坑水の除マンガンを行うことができた.単位菌体当りのマンガン沈着量が多くなるほどマンガン酸化活性は高まった.菌体200mgを用いてMn2+ 450mg/lを含むマンガン坑水500mlを, 24時間以内でMn2+ 10mg/l以下に処理することができた. (4)本菌株の菌学的性質を検討した結果, Pseudomonas pseudoalcaligenesによく似た細菌であることを認めた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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