森林土壌糸状菌によるマツノザイセンチュウの生育の促進と抑制

概要

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(1) 森林土壌より分離した各種糸状菌99株を用いてマツノザイセンチュウを培養し,糸状菌の属と線虫の増殖との関係を明らかにした.森林土壌の優占菌であるMortierella, Trachoderma, PestadotiaおよびVerttcicladiellaでは線虫はBotrytis cinereaよりもよく生育した.培養した線虫の生理的性質は対照のそれと差が認められなかった. (2) Penicillium, Cladospovium, Eladia, Glio-mastix, Acremonium, Helminthosporium, Humi-cola, Mucor, lispergillus等にも線虫は生育できるが,増殖数は少なかった. (3) 線虫の増殖が認められなかった糸状菌としてAlternaria, Mucor, Penicildium, Trichoderma, Nectria, Aspergillus, Cunninghamelda, Paecilo-myces, Pestalotia, Epicoccusn, Pestadotiapsis, Tri-chothesium, Phomopsisが見出された. (4) Phomopsasの2株の培養濾液にマツノザイセンチュウに対する強力な殺線虫活性を見出した,培養濾液に直接線虫を添加した場合の致死率は96.9〜99.6%であった.
社団法人日本農芸化学会の論文