Bacillus cereusにおけるDNA複製中の芽胞形成の誘導とクロモソーム蛋白質の変化
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概要
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B. cereusの芽胞形成初期過程に関与するクロモソーム蛋白質の検索を試みた.ニトロソグアニジン処理により分離したB. cereus ts-4株の性質について調べた結果,本変異株は30°Cで培養すると正常に増殖するが,培養温度を45°Cに上げるとこれ以後DNAの複製開始を行うことができなかった. ts-4株では,45°Cで培養してDNAの複製を完了させ,培養温度を30°Cに移し, 15分培養してDNA複製を再開した後,ふたたび45°Cで培養することによりDNA複製を同調できた.同調開始から経時的に芽胞形成培地に移し, 30°C, 20時問培養後,芽胞形成率を測定した結果, DNA複製開始から40分目に芽胞形成培地に移した場合に芽胞形成率は最も高く,この前後では低かった. DNA複製開始から10, 40, 90分目に芽胞形成培地に移し, 120分目まで培養してDNA複製を完了した菌体からおのおのクロモソームを調製し,クロモソーム蛋白質の2次元電気泳動パターンを比較した.芽胞形成率の高い40分目には減少した蛋白質10種,逆に増加した蛋白質3種が検出された.これらは,芽胞形成初期の遺伝子発現を制御している蛋白質であると考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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