界面活性剤 (Sodium Dodecyl Sulfate) 水溶液中でのβ-ガラクトシダーゼによる糖転移反応
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Asp. oryzae由来のβ-ガラクトシダーゼを用いて,水溶性の受容体(φ-(EO)5-OH)と水難溶性の受容体(φ-C5-OH)への糖転移反応を行い,溶解助剤としての水溶性有機溶媒(アセトニトリル)と界面活性剤(S. D. S.)の添加効果について検討し,以下の結果を得た. 1) 1〜4%程度のφ-C5-OHを水へ溶解するのに必要なS. D. S.の量は,アセトニトリルでの必要量の1/10〜1/5であり,より少量の使用で同等の溶解性を示した. 2) 水溶性の受容体を用いた場合に, S. D. S.の添加による酵素活性の大幅な低下はなく,グルコシド生成に与えるアセトニトリルとS. D. S.の添加効果はほぼ同等であった. 3) 水難溶性の受容体への糖転移反応においてもS. D. S.の添加はアセトニトリルの添加と同等の効果があった.さらにラクトースのような水のみにしか溶解しない糖を糖供与体として用いた場合には,S. D. S.の添加はとくに有効であった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文