海洋性硫酸塩還元細菌による硫化水素生成
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概要
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海洋性硫酸塩還元細菌(Desulfovibrio, NCIB 8308)の培養実験の結果,以下のことが明らかとなった. 1. 最適条件(pH 7,37°C)での窒素および水素の通気攪拌培養における分裂時間は, 2.2±0.1時間(測定数5)であった. 2. 乳酸は水素供与体として次式に従って酸化され,炭素源とはならなかった. 2 CH3CHOHCOOH+SQ42-→ 2CH3COOH+H2S+2 CO2+2 OH- またペプトン,肉エキス,酵母エキスは水素供与体にはなりえなかった. 3. 生成する硫化水素による阻害作用がみられた.そのため中性に近いpH領域において, pHの高いほど,最終菌体量が減少する傾向が認められた. 4. 対数増殖期以後,桿状であった細菌が球状に近づく現象がみられた. 5. 本菌株は,水素供与体として水素ガスも利用し,有機物の極端に少ない無機培地中でも増殖して硫化水素を生成した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文