強酸性イオン交換樹脂におけるリジンの吸着平衡 (1)
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概要
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アミノ酸発酵培養液は,通常工業的には強酸性イオン交換樹脂を用いて単離されているが,従来多成分系なるがゆえに,一般に吸着で用いられている吸着平衡の経験式が使われてきたが,汎用性にとぼしいため,実用上使用しやすい理論式として,各イオン濃度がそれぞれ独立にイオン交換平衡が成立していると考えて整理し,またリジン発酵培養液を想定して,リジンの酸性区分における両性1価カチオン, 2価カチオンの2形態を中心に樹,脂選択吸着係数を求めた.さらに,この選択係数値を用いて,各pHにおける樹脂への吸着状態を計算により推定し,その影響度を特にアンモニアイオンを代表して明らかにするとともに,調整液で,その実用性を立証した.これにより,多成分系であり,かつイオン解離のあるアミノ酸発酵培養液でも,樹脂貫流至適条件を計算により推定することが可能になったといえよう.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文