室戸沖海洋深層水の飲用が閉経周辺期婦人の骨代謝に与える短期的影響

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　閉経周辺期（49〜62歳）の骨量減少症あるいは骨粗鬆症婦人に対する室戸沖海洋深層水の骨代謝に対する影響を検討した．骨量減少症あるいは骨粗鬆症患者12例（飲用群）に対して室戸沖海洋深層水を500ml/日（マグネシウム補充量：100mg/日），12週間飲用させ，飲用前後で血清中と尿中のミネラル濃度（Ca，Mg，P），骨代謝マーカー（骨型ALP，オステオカルシン，尿中NTx/Cre），カルシウム調節ホルモン（i-PTH，1.25-(OH)2Vit.D，カルシトニン），腰椎（L2-4）骨密度を測定した．該当時期の年齢の骨量減少症あるいは骨粗鬆症婦人で飲用を希望しない6例を対照（C群）として，同様の項目を測定し，2群間で比較検討した．　飲用群において血清Mg濃度は飲用4週目にのみ飲用前に比して有意に増加しており，C群に比して有意に高値であった．また，尿中Mg/Cre濃度は4，8週および12週目で飲用前と比べ有意に増加しており，また4，12週目でC群に比し有意に高値であった．一方，血清中および尿中のCaとPの濃度は飲用前あるいはC群との比較において差を認めなかった．飲用12週目の血清骨型ALP濃度は飲用前およびC群と差を認めなかったが，血清オステオカルシン濃度は飲用前に比し有意に減少し，またC群に比べ有意に低値であった．飲用12週目の尿中NTx/Cre濃度は飲用前と差を認めなかったが，C群に比して変化率は有意に低値であった．カルシウム調節ホルモン濃度や骨密度は飲用前やC群と差を認めなかった．　マグネシウムを豊富に含む室戸沖海洋深層水の飲用により，閉経周辺期の骨量減少症や骨粗鬆症婦人において骨形成と骨吸収マーカーが減少したことから，骨代謝回転が抑制されることが示唆され，長期の飲用により骨密度の減少を抑制できる可能性があることが考えられた．〔産婦の進歩56（2）：77-84，2004（平成16年5月）〕

室戸沖海洋深層水の飲用が閉経周辺期婦人の骨代謝に与える短期的影響

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