無包装カマボコの保存性に対する卵白リゾチームの効果
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概要
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無包装カマボコの保存性に対する卵白リゾチームの効果を検討するため, 3%0のグルコースを含有した冷凍エソのスリ身に食塩を添加して30分間練った後,次の各実験区のカマボコを調製した.すなわち, a)リゾチーム・防腐剤無添加区, b) AF 2のみの添加区, c)ソルビン酸のみの添加区, d)卵白リゾチームのみの添加区.これら4種類の実験区のカマボコの外, a), b), c), d)各区のカマボコを,それぞれ1%ゼラチン・0.05%卵白リゾチーム溶液で浸漬を行なった4種類の実験区のカマボコ計8種類のカマボコを調製した.これらをそれぞれ10°C, 14日間保存して,生菌数とネトの発生状況,ネト発生したカマボコより菌の分離pH, VBN,結着力および褐変度について経日的に検討を行なった.得られた実験結果は,次のとおりである.すなわち生菌数,ネト発生状況, VBN,結着性については,リゾチーム・防腐剤無添加区が10°C, 14日間保存中最も悪い保存結果を示し,また保存14日では上述の無添加区についで, AF 2添加区,ソルビン酸添加区は保存効果は悪かった.しかし,これらを1%ゼラチン・0.05%リゾチーム溶液で浸漬を行なうと,リゾチームのみ添加した区,またはこれを1%ゼラチン・0.05%リゾチーム溶液で浸漬した区より保存効果は良好で,リゾチームはAF 2,ソルビン酸への補助効果が認められた. pHの変化は保存期間を通じ,各試料間ではソルビン酸添加区,またはこれを1%ゼラチソ・0・05%リゾチーム溶液で浸漬した区を除き,著しい差が認められず,結着力,褐変に対するリゾチームの影響はAF 2,ソルビン酸のそれと比較し,著しい差は認められなかった.