α-ケト酸の2, 4-ジニトロフェニルヒドラゾン化に及ぼす妨害物質の検討
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概要
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カルボニル化合物を2, 4-ジニトロフェニルヒドラジンを用いて定量する方法は,よく用いられる.しかし,この定量法に及ぼす種々の物質の影響については,これまでほとんど研究されていなかった.そこで,カルボニル化合物としてピルビン酸を選び,その直接定量法に及ぼす種々の物質の影響について検討を行なった.その結果, (1)亜硫酸水素ナトリウム,塩化第1スズ,塩酸ヒドロキシルアミン,フェニルビドラジン,セミカルバジド,シアン化カリウム,過ヨウ素酸などがヒドラゾン化を強く阻害した. (2)阻害の機構を調べたが,亜硫酸水素ナトリウム,セミカルバジドは,ともにピルビン酸と直接に反応し,ヒドラゾン化を阻害する. (3)亜硫酸水素ナトリウムによる阻害は過酸化水素水により,SH化合物の阻害は酢酸鉛を加え,硫化物の沈殿を除去することによって,それぞれ防止できることがわかった. (4)応用例として,大腸菌のリンゴ酸酵素の活性測定にさいし,セミカルバジドがどのような影響を及ぼすかを検討したが,セミカルバジドの量に応じてDNP試薬を増し, DNPH化の時間の増加することによって,ピルビン酸の定量が可能であることがわかった.
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