細菌のFAD合成酵素について
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概要
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Brevibacterium ammoniagenesがその菌体内にFAD合成酵素活性を有していることを見出し,その菌体内より,超音波処理,セファデックス処理にょり部分精製酵素標品を得,若干の酵素学的性質を検討した. (1)本酵素標品はFADを反応2時間目まで,直線的に生成した. (2)反応至適pHはPH7.8,至適温度は42°Cである. (3) FAD合成酵素はMg2+イオンを要求するが,その最適濃度は5mM付近にあり,KmMg2+は4.3mMである.5mM以上のMg2+イオンの存在は反応を阻害する.また,Co2+,Ni2+イオンはMg2+と同程度の効果を有する. (4) 反応系のFMN濃度が0.2mM以下では,反応はMichaelisの式に従い,ATP濃度に応じて,Km値が1,3×10-2mM (ATP O.02mM), 2.5×10-2mM (ATP 0.5mM), 2.9〜4.1×10-2mM (ATP 1mM)と変化する. 反応系にATPが飽和量存在するときのKmFMNはATPの阻害作用のため測定でぎない. (5) KmATPもKmFMNの場合と同じように,FMNの濃度に応じて変化するが,その値はほぼ0.2mM (FMN 0.05〜0.15mM)である. (6) ATPは約5mM以上で基質阻害を起こし,KiATPは8,6mMである.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文