小麦粉臭に関する研究(第1報) : 小麦グルテン臭について (1)
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概要
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(1) 常圧水蒸気蒸留法により,小麦グルテン臭を採取した. (2) 蒸留液は食塩飽和後,エーテル抽出し,エーテルを留去した後,小麦グルテン臭の強烈な黄褐色油状物を得た. (3) この香気濃縮物を常法により,塩基性部,酸性部,中性部(カルボニル部,非カルボニル部),フェノール部,加水分解酸部に分画し,官能試験した. (4) 官能試験の結果,小麦グルテン臭は主として,中性部(カルボニル部,非カルボニル部)により構成されていることが確認できた. (5) ガスクロマトグラフィーの分取による第二次,第三次スクリーニングにより,中性非カルボニル部ではとくに3成分が小麦グルテン臭に関与していることが確認できた. (6) カルボニル化合物はさらに,通気法により2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンとして捕集し,薄層クロマトグラフィー,ペーパークロマトグラフィー,IR分析,熱分解法によるガスクロマトグラフィー等を用いて同定した結果,カプロンアルデヒドが主成分であった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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