鹽化「コバルト」に依る製茶水分檢定法に就て
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概要
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以上の試驗研究の結果を要約せば次の如し 1、 鹽化コバルトを以て製茶の水分を檢定し得る試驗紙を考案し之を鹽化コバルト試驗紙とす 2、 本試驗紙の調製甚簡易にして試驗の方法又簡單なれば何人にても直ちに實行し得べく最も實用的なり 3、 本試驗紙は製茶の水分量によりて共呈色を異にし30號試驗紙を以てする時は青色を保つものは貯藏に堪え赤色を呈するものは變質し易く中間紫色を保つ如き製茶は短期の貯藏に堪ゆるべきことを一見知ることを得 4、 本試驗紙を以て極簡單に製茶の水分量を殆んど定量的に檢定することを得べく之を重量法によりて得る結果と比較し大凡(+)(-)0.3%以内にて一致すべき數字を得たり 5、 本試驗紙を以てせば製茶の量容器の大小種類の如何を問はず直ちに應用檢定することを得べし 6、 比色標準見本は變色し易し時々改訂を要し比色標準表は比較的長期使用し得ると雖も褪色前相當の機に改訂を要すべきものとす 7、 試驗紙を以て室内濕度を推知し製茶取扱上の參考に供し得 8、 本法を普及し製茶の乾燥を充分にすべく指導奬勵せば從來製茶の乾燥不良に起因せる損害を除去するに有效なるべし 終りに臨み本研究に關し助言を賜りし宮地場長及實驗に當り助力を受けし石川助手に對し謝意を表す
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