大豆蛋白質を製造するときの副産物の利用 : (第3報)酸處理液の酒精醗酵
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概要
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低温脱脂大豆粉に0.1N H2SO4を5倍加えて得たpH4.2の酸處理液で,別の脱脂大豆粉を處理すると約pH5.0となる.これにN H2SO4を追加補充してpH4.2を保つようにして3囘酸處理をくり返した液は糖分濃度4g/dl内外となる.これは酒精酵母によりよく醗酵する(醗酵率76〜81%).このさい窒素化合物もその他の無機鹽類も添加する必要はない. 大豆蛋白質を製造するときの副産物の中の‘可溶性炭水化物’はoligosaccharideに屬するものであり,適當な方法で濃縮して糖化すれば非常によい醗酵率を以てエチルアルコールとなすことができる.(この廢液又は酸處理液の中のvitamin B1の利用については壽惠村氏(3)の特許がある.) 御指導を賜わつた恩師故鈴木文助先生,金井眞澄博士に感謝の意を表する.酒精酵母は坂口先生,朝井先生から頂いたもので深く感謝申上げる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文