微生物の核酸分解に関する研究 : (第1報)麹菌の核酸分解酵素について
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概要
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1. 麹菌の1株Asp.oryzae Aは強くRNAを分解し,その培養濾液はリボ核酸分解酵素液として用い得この酵素液はRNAに作用してモリブデン酸アンモンによる沈澱を消失させ(低分子化),無機P,プリンリミジン塩基類を脱離する.このPの脱離はRNA-Pの80%内外にとどまる. 2. この酵素液はDNA-Pの約13%を脱離するがDNA低分子化は行わない. DNAはRNAの酵素的分解を初期に若干阻害する. 3. RNA分解酵素の至適温度は45°,至適pHは4.0附近にある.その活性は培養の進むにつれて増し10〓max.に達する.これらの関係は低分子化及び無機P脱離の両作用に共通してみられる. 4. NaFはこの無機P脱離作用を強く阻害するが.一般塩類は著しい影響を与えない. 5. この酵素液の活性はアルコール50%可溶, 75%不可溶劃分にその大部分がある.アルコール75%可〓劃分はそれ自身全く酵素作用をもたないが, RNA分解作用に何らかのcoenzyme的役割を果す可能性が大きい. 6. タカジアスターゼもRNA, DNAに対し供試酵素液と同様の分解作用を示す.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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