Penicillium chrysogenum Q-176によるPhenylacetic Acidの酸化的代謝に関する研究 : (第7報) Pen. chrysogenum Q-176の1変異種によるHomogentisic Acidの生成について(その3) Homogentisic AcidのPrecursorに関する検討
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概要
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著者が分離したhomogentisic acid (HGA)生成種, Pen. chrysogenum Q-176 homogentisic acid mutantを利用して数種の芳香族化合物を基質とした場合のHGA生成を検討し,下記の結果を得た. (1) Phenylacetic acid (PAA)を基質とした場合, mutantはその親株と同様に代謝中間物質として2-hydroxyphenylacetic acid (2-OH-PAA)を一時的に生成集積し, 2-OH-PAAは更に代謝されてHGAを生成する. (2) MutantのPAAまたは2-OH-PAA添加培養に於けるketo acidの最高生成量は親株であるnormal strainのそれに優り,約2倍の生成が認められた. (3) HGAはmutantのPAA及び2-OH-PAA添加培養の場合は勿論, phenylalanine, tyrosineの添加培養に於ても生成される. (4) Mutantの4-hydroxyphenylacetic acid (4-OH-PAA)添加培養に於ては全くHGAが生成されず,培地の赤色化から, 4-OH-PAAの代謝に於ける未知代謝中間物質の集積が考えられる. (5) HGAはmutantの洗滌菌体によつてもPAA, 2-OH-PAA, phenylalanine, tyrosine及びphenylpyruvic acidを基質として生成される. 以上の実験結果から,著者はPen. chrysogenum Q-176の芳香族アミノ酸代謝がFig. 3に示した経路にしたがつて行われると考えた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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