カンキツの隔年結果防止に関する研究 (第2報) : 冬季の環境処理が着花ならびに新梢の発生におよぼす影響
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概要
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1943年から1957年にわたつて,冬季の環境的処理が次年度の着花ならびに新梢の発生におよぼす影響を調査した。 1. 12月から1月下旬または2月上旬までの乾燥は着花数を多くし, 2月下旬以後の乾燥は反対に着花数を減ずるようである。 2. 冬季低温な場合よりも高温の方が着花数が多く,特に温州では12月から3月上旬まで,レモンでは12月から1月下旬までの温度の影響が大のようである。しかして,それらの影響は温州よりもレモンの方が顕著である。 3. 冬季高温の方が開花期が早くなり,特に温州では3月以降の,レモンでは2〜3月の温度が最も影響する。 4. 冬季の高温は新梢の発生も良好なのが普通であるが,高温によつて着花数を著しく増加した場合にはかえつて新梢数は減ることがある。 5. 冬季にコモをかけると寒風を防ぐと共に日照障害となり,普通の場合は着花ならびに新梢の発生を減らすが,寒冷な年にはこれをかけないものよりもかえつて着花が多い。