一寸ソラマメの結果習性に関する研究(第2報) : 分枝の時期と花芽分化および開花結莢との関係について
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概要
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1.一寸ソラマメの分枝期を異にした枝の,花芽分化期および開花結莢を知るために,1955〜1956年に,千葉県農業試験場安房分場において,2, 3の実験を行なつた。 2.花芽分化は播種後38日目の11月中旬から始まり分枝の早い枝のほうが分化が早かつたが,主枝および第1側枝はややおくれるようである。また花芽は平均気温が15°C以下になつてから,15〜20日後に分化し,分化時には展開葉が2枚以上になつていた。 3.分化後の花芽の発育は早く,12月下旬には4分子が形成されるが,その後は低温のために開花しないで,気温が上昇をはじめる2月下旬になつてから開花した。 4.枝数を放任にした場合は,3番目に分枝した枝が最も早く開花し,それより早く,またはおそく分枝したものほどおそくなつた。また開花数,収穫莢数および莢重は,6番目に分枝したものが最も多く,それより早くあるいはおそく分枝したものほど少なくなつた。 5.枝数を制限した場合には,分枝の早いものほど開花が早く,開花数,収穫莢数および莢重も多かつた。 6.結局分枝数が多いと,各枝間で養分に対する競争がおこり,最も生育条件のよい時期に分枝した枝が,優位を占めるものと思われる。