結球ハクサイの硼素欠乏
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概要
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1953年に亀岡布附近において,結球ハクサイに硼素欠乏症が発生し,1955年には,亀岡市,綾部市,福知山市,園部町,八木町,久御山町附近に激しい症状が発生した。その対策を樹立するため,京都農試において,1955〜1958年に症状の調査,対策試験を行なった。その結果を要約すると次の如くである。 1.症状は中肋に褐色の亀裂を生ずるのが特徴で,31〜35枚目(葉位置)の葉が被害大であり,その被害の時期は結球期である。 2.松島群の品種は被害大で,加賀群がそれに次ぎ,野崎群の品種が最も被害は少ない。硼素含量も松島群の品種は11.6ppmであり,野崎群の品種は13.2ppmであつた。 3. N, K, Caの多用は,硼素欠乏を増加した。しかしそれらに硼素を加用すれば正常株を得た。対策としては10a当り,硼砂1kgの元肥施用で充分有効であつた。 4.硼素欠乏は,結球前1か月間の降水量が少ないと激しく発生し,降水量が多いと発生は少ない。 5.硼素欠乏症発生地の土壌は,砂質壌土〜壌土で,pHは5〜6,可給態硼素含量は0.09ppmであつた。
- 園芸学会の論文