トマト果実の着色に関する研究 (第5報) : トマト品種間の生育,収量および色素含量の比較
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概要
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トマトの生育,収量および果実の色素含量について1958年は福寿2号,古谷早生,新豊玉2号,新星,栗原,愛知トマト,ポンデローザ,松戸ポンデローザ,清州2号,三岡,栄,信濃,桔梗育1号,ひかり,ジュビリー,東北4号の16品種,1959年は珠玉,新福寿,福寿1号,福寿2号,大型福寿,世界一,赤福1号,赤福3号,大型赤福,桔梗育1号,結梗育2号,ジュビリーの12品種を使用して測定を行ない,各品種の比較調査をした。実験は信州大学農学部農場で行なつた。 1.草丈の伸長量の大きいのは松戸ポンデローザ,大型赤福,福寿1号で,伸長量の小さいのは東北4号,ジュビリー,珠玉であつた。各品種の葉数の増加は伸長量の大小とは一致しなかつた。 2.開花数は各品種を通じて花房節位の上がるほど多くなるが,反対に着果数は滅少し,したがつて着果率は花房上位のものほど減少する傾向があつた。開花数の多い品種は珠玉,ポンデローザ,愛知トマトであつた。珠玉は着果数がもつとも多く,3花房合計の着果率は97.5%であつた。 3.各品種別の収量は収穫果実数によつて左右されるが,また果実1個当たりの重量にも影響される。1958年では福寿2号が収量もつとも多く,1959年では大型赤福がもつとも多かつた。珠玉は収穫果実数がもつとも多かつたが,1個の重量が50g以下で,収量がもつとも少なかつた。 4.成熟果の乾物率,粘度,pH,糖分含量,硬度,着色の状態などについて観察を行なつた。乾物率の大きいは珠玉,松戸ポンデローザなどであり,pHは各品種とも大差はなくて3.85〜4.35の間にあつた。糖分含量は赤福3号,世界一,松戸ポンデローザ,清州2号などが多く,ジュビリー,東北4号などが少なかつた。 5.果実の色素含量についてリコピンは1958年では桔梗育1号,清州2号,古谷早生などが多く,1959年では大型福寿,大型赤福などが多かつたが,1959年は1958年に比べて一般に多い傾向にあつた。カロチンおよびキサントフィルは両年とも品種間に大差はなかつた。
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