緑枝接による園芸植物の繁殖に関する研究 (第1報) : 緑枝接の可能性と接木の時期について
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概要
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1.1957〜1960年にわたつて,ツバキ・カエデ・モモ・ナシ・カンキツ・ブドウ・カキ・クリ・ウメ・バラについて,緑枝接の可能性を調査した。 2.緑枝接は,砧の新梢部に穂の新梢部を割接または切接して,10〜30日間ビニールで密閉するだけで,特殊の技術を必要とせず,また砧木の催芽・穂木の貯蔵などの必要もないごく簡単な方法である。 3.ツバキ・カエデ・モモ・ナシ・カンキツでは高い活着率を示し,緑枝接適用の可能性が認められた。特に従来接木困難とされたツバキ・カエデに適用できることは意義のあることと考えられた。 4.ブドウ・クリ・カキ・ウメ・バラについては,満足な結果が得られず,さらに研究の必要が認められた。 5.新梢の含水率は,75〜55%の範囲であれば緑枝接の活着率に直接の影響をもたない。従つて接木可能期間は,相当長期にわたると認められた。
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