ブドウ樹の栄養生理的研究(第3報) : 生育時期を異にするブドウ樹の有機成分について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ブドウのブラック クィーンの成木(7年生)を1954年4月から1955年3月の間9回にわたつて,全樹体を掘りあげ,粗繊維,粗蛋白,可溶性糖および澱粉の含量の時期的変化を調査した。 各成分の含有率に,水分は果実,粗繊維は結果枝,結果母枝,枝幹および根の木質の部分,粗蛋白は葉,可溶性糖は果実に著しく高く,澱粉は枝や根の部分が高かつた。 果房,葉,結果枝(新生部)の粗繊維および粗蛋白の含量は生育に伴なつて増加し,硬核期頃までの増加が多く,その後は可溶性糖と澱粉が顕著に増加した。 結果母枝,枝幹,根(古い組織を主とする部分)の粗繊維の含量は,生育時期によつて大差はないが,粗蛋白と澱粉の含量は活動期聞(3月-11月)に少なく,休眠期間(12月-2月)は多くなり,特に澱粉含量は顕著であつた。 可溶性糖はその逆で,活動期間に多く休眠期間に少なくなつた。 この研究は株式会社寿屋葡萄研究所長寺見広雄博士の御指導によつてなされたもので,千葉大学園芸学部長吉江修司博士,京都大学教授小林 章博士に御教示,御助言をいただいた。ここに,衷心より謝意を表する。
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- ブドウ樹の栄養生理的研究 (第1報) : ブドウ樹の地下部および地上部の伸長について
- 葡萄果実のバラチオンの撒布残留量について
- ブドウ樹の栄養生理的研究(第3報) : 生育時期を異にするブドウ樹の有機成分について