果樹園の土壌管理の違いによる地温の変化について
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概要
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1959年3月4〜7日にわたつてクリ園の土壌管理の違いによる地温の変化を調査し, 熱収支の面から解析した。1. 日中は清耕区の地温がもつとも高く, 敷わら下の地温がもつとも低かつた。2. 夜間は敷わら下の地温がもつとも高く, 清耕区の地温がもつとも低かつた。3. 草生区の地温は日中, 夜間とも両者の中間の値を示した。4. この理由について, 清耕区の地面に日中吸収される純放射量が敷わらや草生の表面に吸収されるそれに比べて大きいこと, および敷わらや草生が夜間の地温冷却を防ぐ反面, 日中の地温上昇を抑えるためであることを明らかにした。なおこの報告ではとりあえず地温の解析だけにとどまつたが, 今後熱収支の立場から土壌管理の違いによる蒸発散量の変化や土壌水分の変化について研究を進展したいと考えている。