温州ミカンの緑かびおよび青かび病に関する研究 (第6報) : 果実の発病ならびに病斑進展に及ぼすpHの影響
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概要
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1. 温州ミカンの未熟果はミカン緑かび病菌 (Penicillium digitatum)の侵害に対して抵抗力を示すが, 付傷した果皮面を酸で処理することによつて抵抗力を失ない, 高い発病率が得られた。2. 酸処理を行なつた未熟果皮面の付傷部分では病原菌胞子に対する発芽阻害物質 (Phytoalexin) の生成力が低下した。3. P. digitatum の胞子発芽および菌体生育はpH 4〜5の間ですぐれ, これはこの病原菌の polygalacturonase (PG)の作用pH域とほぼ一致した。4. 温州ミカンの熟果における P. digitatum のり病斑進展は酸性側において著しく早く, アルカリ性側では阻害された。これはこの菌の胞子発芽, 菌体生育およびPG作用のpH域とは関係がなく, り病を助長するのは酸の作用が支配的であるものと推察された。
著者
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