温床床土に関する研究 (第6報) : たい積土における団粒の形成, 崩壊と腐植化
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概要
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温床育苗用の床土をたい積熟成中に, どのような過程, 機構で土粒の団粒化が行なわれているかを知る目的で次の2実験を行なつた。1. まずA土 (関東ローム赤土+新鮮な畑雑草), B土 (砂壌土+乾燥したイネワラ, モミガラ) およびC土(関東ローム黒ボク+ほとんど完熟したイネワラ主体のたい厩肥) の3たい積土より採土し, 団粒および機械分析を行なつた。A土ではたい積により団粒化が行なわれたが, 最終採土時にはかなり崩壊しており, 基土よりもむしろ団粒が少なくなつていた。B土ではたい積期間中団粒が漸増し, C土ではほとんど不変であつた。2. 次に東大農学部ほ場で, 火山灰土黒ボクとイネワラまたは腐葉土を混合し, それに石灰窒素施用量を変えてたい積した土について団粒分析, および腐植化の程度を調べた。ワラ区では腐植の進行にともなつて団粒化が進むが, さらに進行すると崩壊した。腐葉土区では団粒の形成は少N区を除いては顕著でなかつた。ワラ多N区は少N区に比べ腐植化が遅れ団粒化も遅れた。たい積開始時に土と有機物を混合した場合と, 層にたい積した場合には, 後者は団粒化がそれほど顕著に行なわれなかつた。3. 以上の結果から, 土や有機物の性質, 施肥量, たい積の方法などにより団粒の形成, 崩壊の様相が異なり, それらは主として微生物による有機物の分解腐熟作用に影響されているものと思われた。
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