クリの発芽抑制と生理機構に及ぼすガンマー線の影響
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概要
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クリ(品種: 筑波)の貯蔵期間を延長するため, 収穫後のクリにCo 60-γ線を照射し, 線量と発芽抑制, 貯蔵性の関係を検討した。なお, 2, 3の化学成分, 酵素活性の消長をあわせて検討した。その結果は次のとおりである。1. 低線量 (10,000〜20,000γ) は一時的に発芽現象を促進したが続いて生育する根に生理障害を与えた。2. 高線量 (35,000〜50,000γ) は完全に発芽抑制した。貯蔵6か月後 (11月〜4月) なお健全であつた。3. 貯蔵末期に腐敗, 黒変果が線量に比例して多発しつた。4. 照射はアミラーゼ活性に特異的な影響を与え, またオキシダーゼ, (パーオキシダーゼ, ポリフェノールオキシダーゼ) にわずかな活性低下を及ぼした。5. 呼吸は照射により急激に上昇したが, 日数の経過とともに次第に正常にかえる傾向を示した。6. 照射はアスコルビン酸と糖の含量にわずかな変化を及ぼしたが, タンニン含量には影響を与えなかつた。
- 園芸学会の論文