Petunia hybrida の胚珠培養における窒素の濃度および形態が胚発達におよぼす影響
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概要
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自家不和合性 Petunia hybrida の2系統, W166HとK146BHの交雑受粉3日後すなわち受精直後の胎座つき胚珠の培養を行ない, 無機塩培地を検討した。MURASHIGE& SKOOGの無機塩培地の胚珠からは正常および奇形の実生が得られたが, 他の無機塩培地からは発芽種子は全く得られなかつた。MURASHIGE & SKOOGの無機塩培地が他の培地ととくに違うところは窒素濃度が高いこと, ならびに硝酸態窒素のほかにアンモニア態窒素を含むことであるので, この点について検討した。NITSCH培地を基本培地としてKNO3とNH4NO3の濃度の組合せ効果を調べたところKNO3 500ppm, NH4NO3 80ppm添加した培地でもつとも多くの発芽種子が得られた。すなわち窒素塩として約12mM, そのうちアンモニウム塩として1mM, そしてNO3-NとNH4-Nの比率は11:1くらいが適当であろう。これらの窒素濃度が高い場合, 胚発達は阻害され胚は奇形となつた。