果実そ菜のパーオキシダーゼ (第1報) : リンゴ果実のパーオキシダーゼ活性に対する冷蔵およびCA貯蔵の影響
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概要
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リンゴ果実の冷蔵, CA貯蔵について低温, 炭酸ガスの影響を受ける酵素系を検索中パーオキシダーゼがそのひとつであることを認め, この酵素活性の挙動をしらべつぎの結果を得た.1.「紅玉」の果肉部のパーオキシダーゼ活性はCA貯蔵 (CO2: 3〜4%) により著しく増加する.「スターキングデリシャス」は炭酸ガス濃度が5〜6%になると増加することが認められた.2. 供試リンゴ果実中, 果肉部の活性は品種間における差は無いが果皮部では晩生種である「東光」.「陸奥」, 「ふじ」が高い活性を示した.3. 冷蔵中における活性の変化は果肉部ではほとんど認められないが, 果皮部では全品種で増加した.4. セファデックスG-200によるゲルろ過で,「紅玉」「ゴールデンデリシャス」は果皮, 果肉部とも溶出順にF-I, -II, -IIIの三つの活性画分が得られた. 貯蔵中の全活性の変動に伴う溶出パターンの変化は無く「紅玉」CA貯蔵果の果肉部に見られた活性の増加はF-IIにのみ認められ全活性の96%を占めた.「陸奥」の果皮部ではF-Iが認められなかつた.
- 園芸学会の論文