ランの花芽分化に関する研究 (第2報) : ファレノプシスの花芽分化ならびに花芽の発育経過について
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概要
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1. Phalaenopsis amabilis Blume 系の園芸種 Doris ×Dos Pueblos の交雑種について, 普通のラン温室栽培条件下で, 花芽の分化期および花芽の発育経過を調べた.2. 試料の採集は1970年9月11日から同年12月25日までの間, 1〜2週間おきに行なつた.3. 試料は70%エタノールに浸漬貯蔵しておき, 随時取り出して双眼実体顕微鏡下で, りん片はく皮法によつて花芽の状態を検鏡した.4. 花茎の伸長は10月20日ごろから急速に行なわれ, 花茎長が平均3cmに達した10月30日に, 初めて小花の分化が開始された. この場合第1小花の下方には5〜6個のえき芽が認められた.5. その後花芽は順調に発育し, 11月13日にはがく片形成期, 11月27日ずい柱形成期, 12月11日やく•柱頭形成期, 12月25日花粉形成期と進み, 1971年1月17日から開花し始めた.6. 以上の結果からファレノプシスの花芽分化は, 短日期間中に行なわれることは明らかにされたが, 日長と温度がどの程度の影響力を持つかについては, 今後の検討を要する.