種子の低温処理によるスターチス•シヌアータの開花促進について
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概要
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スターチス•シヌアータの抽だい, 開花に秋〜冬季の自然低温が作用していることが認められた. 次に種子の低温処理が花茎の伸長開始を早め, 開花を促進することを明らかにし, 種子の低温処理による促成栽培の可能性を検討した.1. 秋に播種し, 発芽•生長した株は秋〜冬季の低温期を経過したのち, 初めて花茎が伸長開始し, それに引き続いて花芽を分化した.2. 催芽種子を2〜3°Cで30日間低温処理すると, 葉数が減少し, 抽だいが早められ, 3月までの早期の切り花本数が著しく増加した. したがってスターチス•シヌアータは, 宿根草でありながら, 種子春化型植物であると考えられる.3. 種子低温処理の開始時期は, ピート板に播種後1〜2日目が適当であった. 播種後4日以上経過し, 子葉が展開した幼苗を低温処理すると, 低温の直接的な害を受け, 処理中に幼苗が腐敗, 枯死した.4. 種子低温処理の温度は2°C前後が適当で, 5°Cでは処理の効果が著しく低下した. その時期は2°Cで20〜40日間がよかった.5. 2〜3°Cで30日間の低温処理を行ったのち, 5〜10日間, 30°C恒温に置いたところ, 低温処理の効果が低下あるいは完全に消失し, 高温による脱春化の現象が認められた. 暖地の自然条件では9月中旬より早く低温処理を終えると脱春化の現象が認められた.
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