カボチャの収穫後の品質に及ぼすキュアリング条件と貯蔵温度の影響
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概要
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カボチャ果実 (以下カボチャ) は長期貯蔵が可能なために, 昔から野菜が不足しがちな冬場の重要な食料となってきた. また, 近年は健康食品指向に伴う緑黄野菜に対する認識の高まりや核家族化に伴う冷凍食品,さらには輸入品の利用により, カボチャの消費量は増加傾向を示している. このようなカボチャの需要に対応していくためには, 今後は量的に充足させるのみではなく, 果実品質をも考慮した貯蔵技術の確立が必要となっている.<BR>従来から, カボチャは収穫後の貯蔵に伴い, 物性のうえでは粉質感の強い食味から粘質感のある食味へと変化することが経験的に知られている. 一方, 内容成分のうえではデンプンの糖化に伴う全糖含量やβ-カロチン含量の増加などが報告されている (2,9, 13,16). また, 貯蔵技術との関係では, 腐敗防止を目的としたキュアリング (3, 15) やカボチャの貯蔵温度 (1, 14) の検討はなされているものの, それらの試験に用いられた品種や栽培法などの諸条件が大きく異なるため, 現時点におけるカボチャの貯蔵や品質保持技術に適用することはむずかしい. 特に, キュアリング温度や貯蔵温度が現在のカボチャ品種の成分や食味に及ぼす影響についてはまったく検討されておらず, カボチャの品質向上による消費拡大のためには非常に重要であると考えられる.<BR>そこで, 本報は現在わが国で栽培されている西洋カボチャの代表的な品種を用い, 収穫後のキュアリング処理および貯蔵温度が果実の品質成分と食味に及ぼす影響について検討し, 二, 三の知見を得たので報告する.
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