極早生ウンシュウミカンの光合成特性ならびに樹勢における品種間差異
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概要
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6系統の5~7年生の極早生ウンシュウミカンを供試して, 樹勢の強弱と光合成特性ならびに葉の形態との関係について調査し, 系統間における差異について検討した.<BR>1.葉の厚さおよびさく状組織の厚さは系統間で特に差はなかったが, 橋本早生で若干薄かった. 気孔密度は田中早生で多く, 橋本早生で最も少なかった.<BR>2.6~7月における光合成速度は市文早生および楠本早生で高く, またこの間の減少率も小さかった.田中早生および堂脇早生では減少率が大きく, これらは高温条件下には適していない系統であると考えられた.<BR>3.光合成速度の季節変化における系統間差は明確ではなく, すべての系統間において9月に最大値を示した後徐々に減少した. しかしながら, 9月以後の減少傾向は田中早生, 山川早生および楠本早生で比較的緩やかであった. 光合成速度の最大値は田中早生, 楠本早生, 市文早生および山川早生で高く, 橋本早生では最も低く推移した.<BR>4.夏期せん定後の新梢の伸長は市文早生および楠本早生で旺盛であった. また, 市文早生では新梢長も長く, 総伸長量も優れていた. 堂脇早生および橋本早生では, 新梢の発生数が少なく総伸長量も小さかった.この傾向は, 6~7月上旬における光合成速度から算出した葉1枚当たりの乾物生産量における差異と同様の傾向を示し, 圃場条件下における光合成速度の高低が樹勢の強弱と関係しているものと考えられた.
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